青果通まめ知識
〜 2011年09月 〜

☆梨の種類と保存方法☆
(梨の種類)

日本の梨には「赤梨」と「青梨」があります。赤梨は「豊水」や「幸水」など果皮が茶色いもので、青梨は「二十世紀」のような果皮が緑色の梨です。どちらもシャリシャリした食感がありますが、あれはペントザンやリグニンという成分からできた石細胞によるものです。また赤梨は成熟すると果皮にザラザラの斑点が目立ちますが、これは水分を果実に閉じこめておくためのコルクの役割をしています。

(梨の栄養と効能)

主な栄養成分(可食部100g中)

食物繊維(0.9g)、ソルビトール(0.8g)、カリウム(140mg)

注目成分

アスパラギン酸

主な効能

便秘改善、高血圧予防、動脈硬化予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、利尿作用、咳止め

水分と食物繊維が比較的多く、便をやわらかくする糖アルコールの一種「ソルビトール」を含んでいるので便秘予防に効果があります。また、カリウムは高血圧予防に効果があり、梨に含まれるアミノ酸の一種の「アスパラギン酸」は利尿作用に有効です。

東洋医学では梨の絞り汁が咳止めに効果があるといわれています。


それでは、今市場で取り扱っている梨の種類を紹介いたします。


☆幸水

「菊水」と「早生幸蔵」を交配し、1959年(昭和34年)に登場した赤梨。現在では日本梨の約40%を占める代表的な品種です。果実は約 250〜300gの扁円形で、お尻の部分が大きくへこんでいるのが特徴。やわらかい果肉には果汁がたっぷり含まれ、ひと口食べると強い甘みが広がります。果皮は基本的に褐色ですが、やや黄緑がかったものもあります。

☆豊水☆

350〜400gほどになる大きめの赤梨。幸水と並んで生産量が多く、2004年(平成16年)の統計では日本梨の約25%を占めています。1972年(昭和47年)に「菊水×八雲」×「八雲」として品種登録されましたが、その後のDNA鑑定により親子関係が誤りとされ、現在では「幸水」×「石井早生× 二十世紀」の可能性が高いといわれています。日持ちがよく、果肉はやわらかで多汁。甘みの中に適度な酸味があります

☆二十世紀☆

鳥取のブランド梨としても有名な青梨の代表品種。1888年(明治21年)に千葉県で偶然発見されました。果皮はきれいな黄緑でサイズは約300g前後の中玉。多汁でシャリシャリとした果肉には甘みと酸味がバランスよく調和しています。なお「ゴールド二十世紀」は、病気に強い品種として二十世紀を改良したものです。また、「おさ二十世紀」から育成された「瑞秋」は、「二十一世紀梨」として商標登録され2005年秋から出荷されています。

☆南水☆

「越後」と「新水」を交配して誕生した赤梨で、1990年(平成2年)に品種登録されました。果肉は比較的やわららかく、とても甘いのが特徴です。大きさは豊水と同じぐらいですが、中には500gを超えるものもあります。

♪梨の保存方法♪

水分が蒸発するとカサカサになるので、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。新鮮で保存状態がよければ7〜10日ほどは日持ちしますが、日本の梨は基本的に追熟しないのでなるべく早く食べましょう。
2011.9.24[土]
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